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静電塗装とは。静電塗装のメリットとその用途

2015年06月22日

静電塗装とは?

静電塗装は、美しい仕上がりが期待できる塗装方法のことで、塗料の無駄を少なくし節約できるメリットの多い塗装方法です。

詳細をお話する前に、まずは一般的な塗装方法から簡単にご説明します。

一般的な塗装方法の種類

【1】霧化形塗装

電気的力や空気などで塗料を霧化し、スプレーなどにより吹き付ける方法です。

【2】押しつけ形塗装

被塗物に、ロールや刷毛などを使用して塗る方法です。

【3】浸せき形塗装

被塗物を塗料漕へ浸す、一般的にディッピングといわれる方法です。

静電塗装とは?

上記【1】の霧化形塗装の無駄を省いたものが、静電塗装です。霧化形塗装の場合、被塗物がどのような形をしていても、刷毛目などがつかないため、美しく仕上げることができます。ただし、どうしても塗料の無駄(ミスト)が生じてしまうデメリットがあります。

このデメリットを改善するために、塗料ミストの飛散を極力少なくした方法が、静電塗装です。

1.まず、正極(アースした被塗物)、負極(塗料噴霧装置)に直流高電圧(3万~15万ボルト)をかけます。

2.両極間に静電界をつくります。

3.負の塗料微粒子を帯電させます。(塗料が静電気で引きつけられて正極の被塗物に塗装されます)

この方法で塗装を行うのが静電塗装で、専用の機器(静電ガン)を使用することで、静電気を発生させて塗料をパウダーを金属に付着させる仕組みになっています。また、帯電した塗料は電気力線に沿って移動するので、噴射した正面だけではなく、回り込んだ部分や細かい部分への塗装も行うことが可能です。

また、粉体専用装置静電ガンで塗料に粉体を使用し、静電気で被塗物に付着させた後、高温加熱して塗膜をつくり固定する方法を、静電粉体塗装と呼びます。

静電塗装のメリット

微粒子化した塗料を使用するので、被塗物の大きさや形状に関係なく(一部特殊形状は除く)気泡がない美しい仕上がりが期待できます。また、無駄な飛び散りがないので、塗料を節減することができ、塗装時間の短縮や作業効率のアップにもつながります。同時に作業環境を改善することもできるでしょう。

さらに、この静電塗装の装置の仕組みは簡単で、塗料の変更、色の変更が容易にでき、操作が楽、という特徴があります。このようにメリットが多くあるため、利用者にとって嬉しい塗装方法といえるでしょう。現在、大量生産の必要がある製品に用いる塗装方法として、広く普及しています。

静電塗装がお薦めの製品や主な用途

静電塗装は、苛性処理膜、カチオン電着塗膜、メッキなどで処理された被塗物に塗装するケースにもおすすめです。

たとえば、家電製品、建築の材料、事務機器、自動車などの車両、農機具部品など、大量生産の対象となる製品の塗装に使用されています。