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粉体塗装と溶剤塗装の違いとそれぞれの特徴 

2015年07月17日

粉体塗装と溶剤塗装の違いや特徴は?

*粉体塗装とは

最近シックスハウス症候群対策として使用されているのが、粉体塗装という方法です。粉体塗装の場合、有害物質を含む溶剤を使用しないため、地球にやさしい塗料として扱われ、最近では広く使用されています。


粉体塗装では、有害物質を含まない粉末状になった塗料(ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポポリ樹脂、アクリル樹脂で顔料の粒子にコーティングしたもの)を使用し、この粉末状の塗料を静電気で対象物に付着させます。その後、焼き付けることで塗料の樹脂を溶解する仕組みとなっています。


メリットは、溶剤を使用する必要がなく、さらに強度のある性能の高い塗装被膜を完成させることが可能なこと。耐食性、対薬品性、耐候性、耐ピッチング性にも優れた粉体塗装により、安心・安全な塗装が実現することが最大の魅力といえるでしょう。


また、1回の塗装につき約60μ(ミクロン)の塗装を可能にしており、塗装時に塗膜とならなかった塗料については、回収して再利用が可能、コスト削減につながります。さらに、製造段階での作業員の中毒、火災、大気汚染などの危険性が減少するのもメリットといえるでしょう。

*溶剤塗装とは

溶剤塗装は、歴史が長く、これまで多くの塗装の主体として用いられてきた塗装技術で、さまざまな対象物を柔軟に塗装することができます。シンナーなどの有機溶剤に、アクリル塗料、メラミン塗料、ポリエステル塗料、ウレタン塗料などを混ぜて溶かし、被塗物にスプレーで塗布、その後、焼き付けることで塗装する方法で、次のようなメリットがあります。

 

  • 塗料の種類が豊富
  • 被塗物に応じた塗装(自然乾燥・焼き付け乾燥など)が可能
  • 粉体などの塗料との組み合わせにより、さまざまな対応が可能
  • 原色が豊富である
  • あらゆる色の表現が可能
  • さまざまな模様に対応可
  • メタリックも対応可
  • 低コストが実現
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      上記のように、豊富な種類やこれまで培われてきた技術により、難しい塗装を可能するなど、多くのメリットが考えられます。

*それぞれに向いている製品・用途について

粉体塗装、溶剤塗装、それぞれ塗装に向いている製品が異なります。塗装の目的や予算に応じて、選択するとよいでしょう。

 

粉体塗装に向いている製品 自動車や電機機械用内装部品、屋内用建具、家具、家電製品、雑貨品、屋外用建築資材、ガーデニング用製品など


その他、屋外や沿岸部での使用を目的とする製品など
溶剤塗装に向いている製品 車両、建築機械、産業機械、電気機器、配電盤、制御盤、店舗用設備部品、小型発電機部品、金属雑貨、家電製品(太陽光発電ユニット部品など)、自動車部品(リアバンパー・トラップドアなど)、事務機器、家具など


その他、長期間屋外で使用する製品、沿岸部で使用する製品など



※コンクリート、木、プラスチック、鉄、アルミ、ステンレスにも塗装することができます。